長野久義

ジャイアンツファンに長野の人的補償を納得させるための2つの理由

まさか、長野がプロテクトから外されているとは…。
2019年1月7日、広島からFA移籍してきた丸佳浩の人的補償として、長野久義が指名された。かつて、日本ハム、千葉ロッテからのドラフト指名を拒否し、ジャイアンツ愛一筋を貫き入団してきた長野だけに引退の可能性も考えられたが、巨人のユニフォームを脱ぎ、広島のユニフォームに袖を通すことを決断したようだ。

それにしても、だ。内海に続き長野まで。生え抜きの中心選手、ファンからの人気もあった功労者を手放してもよいのなのだろうか…。

他球団のファンはもちろん、ジャイアンツファンからの批判も多いだろう。これを機にファンをやめるという人も出てくるかもしれない。ジャビッ党としても、すんなり受け入れられる事実ではない。

けれども、だからといって僕は巨人ファンを辞められない。もう染みついてしまっているものだから。頭で納得いかなくても、気持ちは巨人を応援してしまう。根っからのファンってそんなものじゃないだろうか?

今オフの補強を主導した原監督やフロントを批判することは簡単だ。さんざん文句を言ったら、切り替えて、2月のキャンプインからすんなり応援できるのだろうか?できるひとはそれでもいい。

でも、批判したところで、納得できなければ、次へ進めない。だとしたら、今回の内海移籍も含めた長野と2人の生え抜き移籍を頭の中で納得させるしかない。巨人ファンを、というより僕自身を納得させる理由を考えていこうと思う。

主力放出の大型トレードとして考える

炭谷の人的補償で内海が西武に移籍するときにも思ったが、日本のFA制度は、自由に移籍できる制度というよりは、変則的なトレード制度だと思った方がいい。

さんざんFA制度で選手を獲得してきたジャイアンツだけに、僕たちファンよりも球団フロントの方がFAをトレード的に考えているのかもしれない。

巨人はあまり大型トレードをやるチームではない。最近で割と大きなトレードだったのは2016年の吉川光夫+石川慎吾-大田泰示+公文克彦あたり。2008年まで遡ると二岡智宏+林昌範-マイケル中村+工藤隆人という大型トレードが成立している。長嶋監督時代の1997年には石毛博史+吉岡雄二-石井浩郎というかつての抑えのエースと4番打者のトレードがあった。

丸をトレードで獲得しようと思ったら、どうだろう? 長野+金銭で獲得できるだろうか。
いや、無理だろう。トレードであれば悪くない交換だ。
かつて中日の星野仙一監督が、落合博満をトレードで獲得したような、ビッグネームのトレードだと思えば、納得できなくもない。
巨人で言えば、1975年オフ、張本勲を獲得するために、ローテーション投手の高橋一三と内野の控え富田勝を放出したトレードに近いだろうか?

なお、1975年、ジャイアンツは長嶋茂雄監督を擁し、球団初で唯一の最下位に沈んでいる。張本を獲得したジャイアンツは翌年見事にリーグ優勝をした。現在の球団が抱いている危機感はこれに近いものがあるのかもしれない。

炭谷-内海はかつての中尾義孝-西本聖(+加茂川重治)のトレードに重なる。ちなみに西本はその年20勝し、中尾を獲得した巨人は優勝している。

2019年シーズンにジャイアンツが優勝することが、このトレードみたいな人的補償を納得させるひとつの答えだろう。

若手の出場機会確保のため生え抜きスターをあえて放出

仮に長野がプロテクトされていたとして、2019年のジャイアンツの戦い方を考えてみよう。
巨人の外野陣を見ていくと、丸がレギュラー確定。のこりの2つの枠を、長野、陽、ゲレーロ、亀井、石川、和田恋、重信、松原、立岡あたりが争うことになったはずだ。

世代交代を進めたいジャイアンツにとって、外野の一角は、和田恋、重信、松原らに競わせて与えたいところだ。

ところが、そこに立ちはだかるのが亀井、長野といったベテランであり、陽、ゲレーロといった補強組だ。いくら若手に勢いがあっても、この4人の壁を越えていくのは容易ではない。

であれば、若手への障壁を少しだけ低くするために、亀井、長野、陽のいずれかの放出もやむなしと考えたということだろう。

右の外野手でいえば、長野と陽は選手としてのタイプがかなり被る。ちなみに僕個人としては、右の中距離ヒッターを使うということであれば、伸びしろも考えて、2019年は石川慎吾を使うべきだと思う。それはさておき、実績と貢献度で言えば、やはり生え抜きの長野の方が上。年俸も陽の方が高いのだから、プロテクトから外すなら陽であるべきだ。

ただ、陽はFAで入団し、5年契約の2年が終わったばかり。複数年契約だけに、契約期間中のトレード禁止条項や移籍拒否権といった条件で契約している可能性が高い。つまりプロテクトから外せないということだ。

また、長野は2018年シーズンを打率.290で終えたとはいえ、得点圏打率は.248。近年はシーズン序盤に不振に喘ぐこともあり、好不調の波が大きい。冷静に考えれば、大きな上積みは期待できないともいえる。

とはいえ、かつての首位打者であり、実績も十分。人気もあるスター選手だけに、よほどの不振か故障でもない限り2軍には落とせない。2018年シーズンに2軍で活躍していた石川がなかなか1軍に上がれなかったように、同じような調子であったら、長野が優先されてしまうのである。

結果として、長野が抜けたことにより、若手にチャンスが広がったと言える。
先にも述べたが、亀井はシーズン当初はおそらく代打要員。亀井がスタメンで出続けるというチーム状態なら、2019年もジャイアンツの優勝は難しいだろう。ゲレーロは外国枠の問題もあるし、穴の多い打者だ。陽は好不調の波が激しい。

がんばれば重信、松原、和田恋、石川の4人で、2つのポジションを獲得することも不可能ではない。少なくとも1つのポジションは若手に解放されたといってよいだろう。

原監督は、FA宣言した丸との交渉の席で「新しい血」を入れてくれと口説いたという。
ジャイアンツが新しいチームに生まれ変わるために、思い切った血の入れ替えが必要だったということだ。

長野放出に伴う巨人ファンの心の痛みは、若手がポジションを獲ることで癒されるはずだ。

最後に…長野への想い

個人的に、大学の後輩でもあるし、長野はとても好きな選手だ。

長野のルーキーイヤーの年、東京ドームでのオープン戦だった。相手選手が打った打球はセンターバックスクリーンへのホームラン性の当たり。フェンスダイレクトか、スタンド入ったボールが跳ね返ったか、際どい当たりだった。審判は腕を回しホームランの判定だったが、センターを守っていた長野は、ライトスタンドで見ていた僕らファンに向けて、右手で「入ってない、入ってない」のジェスチャーをコミカルに見せてくれた。

2018年の宮崎春季キャンプ。当時育成だった松原と2人で外野特守を受けていた長野。見に来ていたファンのために、サービスで背面キャッチに挑戦。本当ならばキャッチできただろう当たりも、あえて失敗してみせることで、ファンを和ませてくれた。動画を撮っていた僕に声も掛けてくれた。

ジャイアンツの背番号7。かつて吉村や二岡がやってのけたように、優勝を決めるサヨナラホームランを打つ宿命の背番号。2019年シーズンは長野のサヨナラホームランでジャイアンツの優勝が決まると思っていただけに、残念だけれども、広島移籍をバネとして長野久義がさらなる活躍をしてくれることを願う。
ただ、ジャイアンツ戦は勘弁してね。

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“ジャイアンツファンに長野の人的補償を納得させるための2つの理由” への2件のフィードバック

  1. ソナタ より:

    あのオープン戦は私と一緒でしたね〜^_^
    初めて長野のプレーを見たのは、今でも忘れられない。非常に残念ですが、広島での活躍を期待しております。巨人が優勝することが、全ての人にとって結果的に納得いく答えということになるのでしょうね。そういった意味では、原監督は非常に高いプレッシャーの中での、必ず優勝をしなければならない19年シーズン、相当の覚悟を持った監督業が既に始まっている、と考えるべきなのでしょうね。

    • かめ うさぎ より:

      そうですねー。一緒に見てて、「面白い選手が入ってきた」って会話をしたのを覚えています。原監督は1次、2次とはまた違った采配を見せてくれるような気がしますね。

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