上原が巨人と再契約「プロテクト外し」ではない3つの根拠

上原がまたまた戻ってきました 巨人を語る

シーズン終了後、左膝の手術を受けたため自由契約となっていた上原浩治がジャイアンツと再び契約した。菅野が来季から背番号18をつけることになったため、再び19番のユニユニフォームに袖を通す。

僕としては同じ昭和50年生まれとして上原が戻ってきたことを歓迎するし、来シーズンは中継ぎとしてブルペンを引っ張っていってもらいたいと思う。

そんな上原と巨人に対しプロテクト外しではないかという疑いの声が上がっている。ジャイアンツも上原本人も否定しているし、僕もそれは無いと思う。今回はその根拠を述べていきたいと思う。

そもそもプロテクト外しとは?

巨人はこのシーズンオフに西武と広島からFA宣言した炭谷と丸を獲得した。炭谷と丸の獲得には、人的補償のリスクが伴う。
ジャイアンツは、ライオンズとカープにそえぞれ支配下選手28名をプロテクトしたリストを渡さなければならない。ライオンズとカープの両球団はそのプロテクトされた28名以外の支配下選手のなかから人的補償の対象選手を選ぶことができる。

上原はFA宣言した炭谷、丸を獲得する前の10月29日に自由契約になっている。自由契約になった選手は当然支配下選手ではないから、FAで獲得した選手の人的補償の対象とはならない。そして、西武と広島にプロテクトリストを提出したのちに再契約したことから、他の選手をプロテクトするために上原を対象選手から外したというのだ。

なるほど、理屈的にはありそうだ。

自由契約にならなかったら上原はプロテクトされていたか?

では、ジャイアンツは上原をプロテクトする必要があったのか? を考えてみよう。

43歳という年齢で、左膝の手術を受けたわけである。その時点では来季、戦力になるかはわからない上原と契約を継続した場合、このときの上原の年俸は2億。来季の戦力になるかどうか不明の上原をライオンズもカープも取る可能性はほぼゼロだ。つまりプロテクトする必要はなかった。

ライオンズやカープが上原を獲得する場合のメリットは戦力よりも、ジャイアンツのメンツを潰し、上原のプライドを傷つけるくらいしかない。貴重な支配下選手枠を億単位の金額を支払ってまですることではない。

もし、巨人がどうしても上原を他球団に渡したくなかったならば、育成契約にしてしまえばよかっただけだ。
育成契約でも高額年俸で契約すること自体は可能だし、育成契約を支配下契約に結び直すならば、来季の開幕後でも可能だ。それならば上原もじっくりリハビリに専念できる。

あるいは昨年、ソフトバンクが松坂に提示したようにコーチ契約にしてしまえばいい。
(今後、プロテクト枠確保のためにベテラン選手にこれは使えるかもしれない)
まぁ、現役にこだわっている上原に対して、ジャイアンツはコーチ契約で一度選手登録は外すという提示はできないけれど。

自由契約選手はどの球団とも契約できる

巨人は人的補償のプロテクトを意識しなかったわけではないかもしれないけれど、上原を自由契約にしたのは、それよりも上原の都合を考えてのことだと思う。
上原が自由契約になったとき、原監督との不仲説が流れた。このとき、ライターの黒田朔氏が週刊朝日でベテラン記者のコメントを以下のように取り上げている。

「それでも原さんとは、リハビリをして投げられるようになったら戻ってきていいし、もっといい話がほかであるならそっちに行ってもいい、とか、それぐらいの話をしてもらえる関係ではあるので、巨人と再契約する可能性もあります」

これが真相なのではないかと僕も思う。

ジャイアンツとしては投げられるメドが立ったら戻ってきて欲しい。でも、来シーズン投げられるかどうかわからない選手と契約することはできないし、今シーズンほど年俸を支払うこともできない。
ならば、自由契約にすることで、上原に対し「投げられるかわからないけど契約したい」というオファーがあるかもしれない。
現役を続けることにこだわっている上原にとっては、自由契約のほうが都合がよいわけだ。

10月下旬から12月上旬まで上原は自由契約だったわけだから、どの球団も声をかければよかったはずだ。
広島や西武が、もし人的補償で上原を獲得することを考えていたのだとしたら、それこそ、自由契約の上原を獲得すれば、上原も獲れるし、人的補償の選手も補充できるので、2度美味しい。

巨人と再契約する可能性が高いと判断した他球団が遠慮して声をかけなかったという可能性はある。
けれども、どうしても欲しい選手だったら、そんな遠慮なんかしないだろう。
11月にはオリックスの金子が自由契約で、マーケットに出てきたという影響もあるだろう。
結果として、12月上旬の段階で、他球団は上原を獲得しようと思わなかった。それだけの話しだ。

上原と早々に契約を結んだのはなぜ?

巨人は12月14日に上原と再び契約を結んだ。プロテクトリスト提出後というタイミングと、自由契約にしてから再契約までの期間が短いから、「プロテクト外し」という憶測が流れたわけだけれど、どうして巨人はこのタイミングで上原と再契約したのだろう?

ジャイアンツが上原と早々に再契約を結んだ第一の理由は、上原のリハビリが順調で来季の戦力としてメドがたったことだろう。
そして、他球団が手を挙げる前に契約したかったというのが本音だろう。

12月上旬まで、他球団が上原獲得に動かなかったのは、MLBのウィンター・ミーティングが12月9日~13日まであったということもあると思う。
外国人投手の補強を考えている球団は、このウィンター・ミーティングで、めぼしい投手がいなかったら、上原獲得も検討したかもしれない。

だから巨人は、ウィンター・ミーティングが終わる前に上原に真っ先に声をかけ、背番号19も用意した。これがジャイアンツが示した誠意。
結果として、今シーズンの4分の1の年俸の5000万円で獲得することができたわけだ。

まとめ:上原の自由契約がプロテクト外しではない3つの根拠

  • 1. プロテクト外しなら育成契約などの方法があった。自由契約ならどこの球団とも契約できるため上原にとってはそちらのほうがよかった。
  • 2. プロテクトするつもりもなかったし、人的補償選手で取られる可能性がほぼなかった。人的補償で取るつもりならば、自由契約の段階で広島や西武がオファーしている。
  • 3. MLBのウィンター・ミーティングが終わる前に声をかけることで、外国人補強に失敗した球団が獲得を検討する前に契約した(
    早めに契約しなければ他球団に取られる可能性があった)。

このように、ジャイアンツが上原を人的補償で取られないために自由契約にしたというのは、ありえないというのがジャビッ党の見解だ。

日本のFA制度は、「宣言」をしなければならずFA宣言すること自体、周囲からの批判にさらされる。
人的補償や金銭的補償が発生するため、権利だからといって簡単に行使することのできない移籍制度だ。
もう、ぜんぜんフリーじゃない。権利のある選手が移籍先を選べる変則トレードといってもいいくらいだと思う。

FA制度はドラフトやポスティングなども絡むため、かんたんにFA制度だけを変更することはできないが、諸々含めて、制度を見直す時期に来ているのではないかと思う。

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1975年、ジャイアンツの歴史上、唯一の最下位だった年に生まれる。
同学年の選手は高橋由伸、上原浩治、高橋尚成、井端弘和、岡島秀樹など。

生まれてからの最初の記憶が、祖父の家のテレビで観た王さんの756号という巨人ファン。1989年の近鉄との日本シリーズ、3連敗からの逆転日本一を疑わず、それが実現したことから、本格的にジャイアンツにのめり込む。

高校時代から東京ドームに通い始め、1994年には東京ドームでアルバイトをし、日本シリーズでは長嶋茂雄監督の胴上げを生で観る

大学時代に某スポーツ解析ソフトウェア会社にアルバイトとして働き始め、そのまま入職。野球とラグビーのデータ入力と解析を担当した。

2008年には年間およそ50試合ほど、東京ドーム、神宮、横浜などで観戦したが、仕事の都合上、現在は日テレG+での観戦やネット観戦が多い。

夢は東京ドームの年間シートを購入して、毎試合生観戦すること。

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