ファンを楽しませる演出が盛りだくさんの「ありがとう阿部慎之助」
2019年9月27日、今シーズン最後の東京ドームでのペナントレース公式戦は、「ありがとう、慎之助」と題された阿部慎之助への感謝の気持ちを伝える企画だった。
今シーズンを最後に現役引退することになった阿部慎之助だけれども、明日は神宮でペナントレース最後の1試合があるし、クライマックスシリーズ、日本シリーズと重要な試合が残っていることから「引退セレモニー的なことはしたくない」ということで、こういう企画になった。
ま、でも実質的な引退試合だよね。
ジャイアンツは順位も決まっていて、CSに向けた調整試合にすぎなかった試合が、プレミアムな試合になった。
東京ドームは16時前から多くの人が開場を待っていた。
もちろん、僕も背番号10のユニフォームとマフラータオルを持参していった(アディダス製)のやつだけど
先発はマシソン-阿部のバッテリー
ジャイアンツの先発バッテリーは、キャッチャーが阿部慎之助。ピッチャーは先日の会見で、もう一度受けてみたいピッチャーで名前を上げたスコット・マシソンだ。
マシソンは先頭の神里にヒットを許すものの、後続を抑え、打者4人に対して14球。無失点で抑えた。
ちなみにベイスターズの神里は中央大学出身で、阿部慎之助の後輩。慎之助を相手にしっかりと盗塁を決めた。
澤村の頭ポカリを再現か?
2回表、投手はマシソンに代わり中央大学の後輩でもある澤村拓一。澤村と慎之助といえば、2012年の日本ハムとの日本シリーズ。澤村がサインミスをして、マウンド上で慎之助に頭を叩かれたシーンが思い出される。先日の会見で慎之助も述べていた。
既定の投球練習を終え、ベイスターズのロペスがバッターボックスに立つ。このときロペスが慎之助にハグしたんだよね。
そして、慎之助が澤村にサインを出すが、なかなかサインが合わない。澤村が何度も首を振ると…。
日本シリーズの再現かと思われた、このコントみたいなやり取り。これも、順位が確定したジャイアンツとベイスターズだからできた演出だろう。
慎之助はこの後ベンチに下がり、原監督が出てくる。
「まさか、交代じゃないよね」ちょっと球場がざわつく。打席にも立ってないし、それはない。
2回表から慎之助がファーストの守備位置について、ファーストの大城がマスクを被った。守備位置交代だ。
これからCSも日本シリーズもあるから、キャッチャーを続けて故障されても困るしね。
澤村-鍬原-鍵谷の中大リレー
2回は澤村が打者3人を18球、三者三振で抑える。3回は鍬原、4回は鍵谷がマウンドへ。澤村、鍬原、鍵谷の3人はいずれも中央大学出身で慎之助の後輩(亀井もね)だ。
ちなみに澤村がマウンドに上がった時の登場曲は中央大学の校歌だった。初めて聞いたから最初はなんの曲かわからなかった。
鍬原はソトにホームランを打たれてしまったけれど、鍵谷は1回、打者3人をわずか7球で抑えた。
陽と亀井が『September』で登場
8回裏、9番の打順で代打に登場した陽岱鋼、すると打席に向かう時の登場曲が、慎之助の登場曲『September』に。
慎之助の登場の時は「ホームラン♪ 阿部慎之助~、ホームラン♪ 阿部慎之助~、ホームラン♪ 阿部慎之助~、おおお~しんのすけー」ってなるんだけれど、きちんと「ホームラン♪ 陽岱鋼~、ホームラン♪ 陽岱鋼~、ホームラン♪ 陽岱鋼~、おおお~ヨウダイカンー」ってスタンドも合わせていた。さすがジャイアンツファン!アドリブが利く。
陽が凡退して、1番の亀井に打順が回ると、亀井も被せてきた。
「ホームラン♪ 亀井善行~、ホームラン♪ 亀井善行~、ホームラン♪ 亀井善行~、おおお~か・め・いー」ってこちらもきちんとついてくる巨人ファン。
演出だけじゃなく、出場選手が活躍!
この試合は、演出だけじゃなくって、試合もきっちり慎之助のために勝利を捧げた試合となった。
球団史上初!坂本が生え抜き右打者で40本塁打達成!
0-2と2点リードされた4回、先頭で登場したキャプテン・坂本がいきなりやってくれた!
マウンド上は3回から2番手の中川虎。その初球を打って、40号ソロホームラン!
ジャイアンツの右打者としての40号到達は、小久保、ラミレスに続いて3人目。生え抜きの選手としては初めての40号到達!
あの長嶋茂雄も原辰徳も届かなかった40号ホームランに到達したのだから凄い!しかもこの試合で。
この回が始まるときに、空席だった隣の座席にお客さんが来て、座るために、カメラを動かしている間に坂本が打っちゃったものだから、動画も写真も撮れてないないです(涙)
さすが慎之助!第7号同点ソロホームラン!
坂本の40号の興奮が冷めないなかで迎えた、慎之助の第2打席。4球目を打った打球は瞬間にそれとわかる第7号同点ソロホームラン!
慎之助も打った直後に確信歩きから、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。
通算406号のホームラン。原監督も引退試合で382号ホームランを打ったけれど、慎之助も実質的な引退試合である今日、しっかりとホームランを打つところが、野球の神様に愛されているんだなって思う。
新・持っている男・戸郷がプロ入り初勝利
そして、この日5回から5番手にマウンドに上がったのが戸郷翔征。
先週の優勝の決まる試合でプロ入り初登板・初先発して、見事に試合を作ったルーキーだ。
この日は、いきなりベイスターズのルーキー伊藤裕季也に2塁打を打たれて、1死満塁までピンチを広げるけれど、梶谷、佐野という2人のやっかいな左打者を三振に仕留め、無失点に抑える。
すると、5回裏、ジャイアンツも満塁のチャンスを作ると、女房役の炭谷銀仁朗が満塁ホームランで4点の勝ち越し!
戸郷はこのあと、8回までベイスターズ打線を7奪三振無失点に抑え、プロ入り初勝利を手にした。
プロ入り初登板がリーグ優勝を決定した日で、プロ入り初勝利が、東京ドームでの阿部慎之助の現役最後のペナントレースの公式戦。
戸郷のこの日の登板自体は、首脳陣がセッティングしたものだけれど、それをきっちり結果として出しているところが「持っている」感じがする。
来年は間違いなくローテーションに入ってくるだろうし、近い将来ジャイアンツを背負う投手の一人になると思う。
ジャビッ党が選ぶこの日のMVP
MVP・・・阿部慎之助
もちろん、この日のMVPは、4番・キャッチャーでスタメン出場し、4回に同点ソロホームランを打った阿部慎之助。
本当に素晴らしい試合をありがとう。
CS、日本シリーズでの活躍も期待しているよ!
試合後は優勝セレモニー
試合終了後は、ジャイアンツのセントラル・リーグ優勝をファンに報告し、ペナントとトロフィーを受け取る優勝セレモニーが行われた。原監督と阿部慎之助が挨拶して、ペナントを掲げてグラウンドを一周した。
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