勝った方が交流戦の優勝という天下分け目の一戦。伝統的にジャイアンツはこういう勝負に強いのだけれど、残念ながら今日は違った。
満を持して送り込んだエース菅野が初回4失点。ジャイアンツ打線は4回に打った岡本のソロホームラン1本の1点しか奪えず、1-5で敗退。交流戦の優勝を逃した。
菅野の復活を待っていたら、今シーズンは終わってしまう
ジャイアンツのエース菅野の自慢の制球力は見る影もなかった。
右打者の外角低めへ要求されたストレートやツーシームはことごとく内角高めに抜けていく。スライダーやカットボールは高めに浮く。押さえつけようとすると、今度は外角のボールソーンからさらに外へと外れていく。
初回は確かに不運もあった。グラシアルと松田の打球は、とんだコースが悪かったし、坂本のエラーもあった。でも、2回表の先頭バッター、投手和田に対しての四球は言い訳できない。しかも最後の1球は炭谷のサインに首を振って自らが選んだ球種で四球だ。そりゃ、いくらエースでも、自分の甥っ子でも、原監督も替えるよ。
つくづくピッチャーは制球力だなと思う。
キャッチャーの構えたところにほとんど投げられない菅野に対して、ホークスの先発和田は、捕手・甲斐の構えたミットにほとんどコントロールされていた。
前回、前々回の2試合だって、勝ち星こそついていたものの、菅野本来の投球とは程遠いピッチングだった。今シーズンでこれぞ菅野!という投球を見せたのは開幕戦くらいではないだろうか?
宮本コーチは今日の試合後に
「エースとして立ち上がってくれると思います。信頼は失っていません」
なんてコメントを残していたけれど、このままローテーションで投げさせ続けていては、復調はおぼつかないと思う。
おそらく、2試合に1回くらいは打ち込まれて、ゲームを作れても7回3失点とか4失点という内容が続くのではないかと思う。もう7つも勝っているから、シーズン終了までローテーションを守れば、2ケタは勝つだろうけれど、終わってみたら11勝10敗、防御率4.95くらいの成績になってしまうのではないだろうか?
並のピッチャーならばそれでいいかもしれない。でも、僕らが菅野に求めているものは、もっと高い次元のピッチングであり、背番号18にふさわしいエースの成績だ。
ならば、なにか手を打つべきだろう。
期間限定でクローザー・菅野を試してみる
菅野の不調は、腰の調子もあると思うけれど、勤続疲労によるコンディション不良が原因だと思う。登録抹消して、2週間くらいミニキャンプを張って、ランニング中心のメニューで下半身を作り直すのが一番よいと思う。でも、それを許すほどの余裕はジャイアンツにはないと思う。
前に、「阪神打線にボコられた菅野は10失点。今年の菅野はやっぱり変。どうすれば復活する?」でも菅野不調の原因と再生のための考えを書いている。その中では2つの方法を提案した。
- 序盤から出力を上げる投球スタイルにする
- 配球パターンを変えていく
このうち「2」はすでに捕手を小林から炭谷に変え、実践している。一時的には効果があったものの、やはり本来の投球とは程遠く、ゴマカシでしかないことがわかった。
ならば、最初から全力投球する「1」の投球スタイルで投げるという方法を試すべきだろう。ただ、この方法だと、当然完投は難しい。
それならば、いっそのこと、菅野をクローザーとして起用してみてはどうだろうか?
今のジャイアンツは中川がクローザーを務めているけれど、マシソンが故障して7回、8回を安心して任せられる投手がいなくなってしまった。昨日、新外国人デラロサと契約合意したと発表されたけれど、この投手だって未知数だ。ボールは速いらしいけれど、「コントロールは? 牽制は? クイックは?」使ってみたらクックとあまり変わらないという可能性も低くない。過剰な期待は禁物だ。
ならば、そのデラロサが使えるかどうかのメドが立つまででもいいから、菅野をクローザーとして使ってみてもよいのではないか?
先発だって駒は足りなけれど、山口俊を軸に、桜井、今村、メルセデス(ちょっと不安定だけど)の4人に、高田、大江、大竹、野上らを使えば、なんとかなるのではないだろうか? 今の菅野の状態ならば、大竹や野上が先発しているのとあまり変わらないと思う。
菅野は多彩な変化球を持っているし、そのそれぞれが決め球になるキレがあるけれど、1イニングだけならばストレートだけで押すことも可能だ。
2007年に1シーズン限定で上原に抑えをやらせたように、思い切って配置転換してみるのもいいだろう。原監督、ぜひ御一考を!
ジャビッ党が選ぶこの日の戦犯とVP
戦犯・・菅野智之
1週間に1度の登板で、アウト3つしか取れない菅野なんて、もう観たくない。上原も引退してしまったし、来シーズンは背番号19に戻したほうがいいかもしれないな。
VP・・・岡本和真
菅野のあとを受けて、2イニングを無失点に抑えた大江も評価したいけれど、岡本のホームランが見事すぎた。この日、ジャイアンツファンが東京ドームでオレンジタオルを回せた唯一の機会を作っただけに、ここは岡本をVPに選びたい。
交流戦優勝は逃したけれども、ホークス以外のチームにすべて勝ち越したことで、貯金を4つ増やし、セ・リーグの首位に立つことができた。リーグ戦再開後も1戦必勝で勝ち星を積み重ねてほしい。
絶対勝つぞ!ジャイアンツ!
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