岡本が最年少3割30本100打点でCSを決めた! あと10勝で下克上

史上最年少で3割30本100打点を達成した岡本和真 巨人を語る

「個」の力でもぎ取った由伸巨人らしい最終戦の勝ち方

ジャイアンツがペナントレース最終戦である甲子園の阪神戦に勝利し、67勝71敗5分の成績で3位が確定。借金4を抱えながらもクライマックスシリーズ出場を決めた。

試合は良くも悪くも由伸ジャイアンツらしいゲームだったと思う。
先制したのは阪神。1回裏、坂本のエラーで先頭打者の出塁を許すと、ゲッツー崩れで1点を献上した。しかし、3回に阿部慎之助のタイムリー二塁打で逆転すると、5回に陽岱鋼の三塁打で2点を加え、4-1とした。

試合は完全にジャイアンツペース。強いチームならば、このまますんなり押し切ってしまうのだけれど、今年の巨人はそうはいかない。得点をとったその裏に1点を返され、4-2とされ、試合の流れを戻されてしまう。

この日はペナントレース最終戦、投手を出し惜しみする必要もないし、エース菅野をはじめ、今村、吉川といった先発陣もベンチ入りさせている。5回裏は、先頭から2連打されて、先発のメルセデスも攻略されつつあると感じていた。最下位のタイガースだったから1点で済んだけれど、6回もメルセデスの苦手な左打者から始まるし、僕なら6回頭から継投で2点差で逃げ切りを狙うだろうなと考えていた。

今シーズン中継ぎで好結果を残している吉川光夫を6回頭から左打者2人、6回2アウトから上原で一殺。7回畠、8回山口俊、9回菅野という継投プランだ。

でも、投手交代のタイミングがいつも遅いのが今年のジャイアンツ。
先頭の島田に二塁打を打たれ、福留を抑えて、一死三塁。畠にスイッチするならば、右の大山のここだろうと思っていたが、その大山にタイムリーを打たれ、左のナバーロのところでの畠投入となった。あえて左打者に右投手をぶつける、おなじみの謎継投だ。結果としてワイルドピッチと小林のエラーで同点にされてしまう。

それでも、7回表、由伸チルドレンの岡本和真がシーズン98打点目となる32号ソロホームランで1点を勝ち越す。その後、一死一三塁として小林がスクイズを決めもう1点追加。この1点が大きかった。

8回表にはマギーの2点タイムリーで7-4とし、一死二塁で岡本の第4打席。ここで、「ホームランなら100打点だなぁ~」なんて思っていたら、本当に打ってしまった。見事としか言いようがない岡本の2打席連続ホームランで勝負あり! 岡本は史上最年少での3割30本100打点を達成し、高橋由伸監督のペナント最終戦に花を添えた。

由伸監督は監督就任から「個々の力のレベルアップ」を掲げていた。そういう意味で最終戦は、個の力で勝った由伸監督が目指した勝利の形だったのかもしれない。

由伸監督が目指した「個々の力のレベルアップ」。良い面でいえば、坂本や菅野は自分の力をぞんぶんに発揮できた3年だったし、この1年で岡本和真をはじめ、重信や吉川尚輝、田中俊太、大城ら若手が力をつけることができた。反面、バントや走塁、守備面などの細かい作戦遂行能力は低下し、1点を取る野球や1点を守る野球ができず、接戦をことごとく落とした。チームとしての戦う力は広島に大きく水を空けられ、投打の中心である坂本や菅野が選手「個」としての全盛期を迎えつつあるなかで、優勝を争うことすらできなかった

ともあれ、今シーズン限りでの退任が決まっている高橋由伸監督の監督としての通算成績は、210勝208敗11分 勝率.502で勝率5割を超えることができた。まだ2018年のシーズンは終わらない。

CS、日本シリーズを勝利し、堂々の退任を

借金を抱えてのクライマックスシリーズ進出。僕の個人的な考えでは、長丁場のペナントレースの優勝にこそ価値があるのであり、クライマックスシリーズは、ペナントの優勝と日本シリーズの価値を下げるものだから、やめた方がいいと思っている。いつものシーズンだったら、優勝できなかった年のクライマックスシリーズにあんまり興味はないのだけれど、由伸監督の退任が決まっている今年は違う。

前回の「辞任まであと2試合、通算勝率5割超えで高橋由伸監督有終の美を」でも書いたけれど、辞任の決まった監督が率いる勝率5割未満のチームが、日本シリーズで下克上するのはちょっとドラマチックでワクワクしてしまう。由伸ジャイアンツは、CSを勝ち抜いて、日本シリーズもぜひ勝って、ポストシーズンの在り方に一石を投じてもらいたい。

そのためには、巨人はあと10個の勝利を積み重ねなければならない。神宮球場で2勝、マツダスタジアムで4勝、そして日本シリーズで4勝だ。
今年の戦力・ベンチワーク・対戦相手との相性を考えると、クライマックスシリーズを勝ち抜くのは至難の業だ。エース菅野への負担は間違いなく大きくなる。
今朝の報道で、菅野が11月の日米野球の侍ジャパンを辞退したとのこと。どうやらジャイアンツも本気で日本シリーズを狙っているようだ。

あと10勝。高橋由伸監督の胴上げを日本シリーズで見たいものだ。

絶対勝つぞ!ジャイアンツ!

ポストシーズンと来シーズンの組閣は別物と考えよ

由伸ジャイアンツが2018年シーズンを終えていないので、発表はしずらいと思うけれど、球団は来シーズンの準備は粛々と進めてもらいたい。次期監督もほぼ決まっているみたいだけれど、日本シリーズ前のドラフト会議(10月25日開催)には新監督は出席するべきだし、コーチ人事も決めておきたい。

戦っている選手への影響も考えると、発表はクライマックスシリーズ終了後の10月23日が良いと思う。

巨人を語る
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1975年、ジャイアンツの歴史上、唯一の最下位だった年に生まれる。
同学年の選手は高橋由伸、上原浩治、高橋尚成、井端弘和、岡島秀樹など。

生まれてからの最初の記憶が、祖父の家のテレビで観た王さんの756号という巨人ファン。1989年の近鉄との日本シリーズ、3連敗からの逆転日本一を疑わず、それが実現したことから、本格的にジャイアンツにのめり込む。

高校時代から東京ドームに通い始め、1994年には東京ドームでアルバイトをし、日本シリーズでは長嶋茂雄監督の胴上げを生で観る

大学時代に某スポーツ解析ソフトウェア会社にアルバイトとして働き始め、そのまま入職。野球とラグビーのデータ入力と解析を担当した。

2008年には年間およそ50試合ほど、東京ドーム、神宮、横浜などで観戦したが、仕事の都合上、現在は日テレG+での観戦やネット観戦が多い。

夢は東京ドームの年間シートを購入して、毎試合生観戦すること。

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コメント

  1. ソナタ より:

    岡本!ホントよくやりましたね。
    記録も残し、ほぼワンシーズン4番で結果を残しました。
    来年もやってくれるでしょう!
    クライマックス勝ち抜いて欲しいですね。

  2. […] 岡本が最年少3割30本100打点でCSを決めた! あと10勝で下克上 […]

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