巨人・丸誕生! ジャイアンツが丸佳浩に求めるもの

11月30日、FA宣言をしていた広島東洋カープ丸佳浩が、ジャイアンツへの移籍を決断した。アンチ巨人などからは批判の声も聞こえてくるけれど、打って良し、守って良し、走ってよしの3拍子揃った日本球界きっての左の好打者だ。むしろ「いらない」という方がどうかしてると思うくらいだ。

丸佳浩にかかる球団・そしてファンの期待は大きい。しかしこれまでのFA選手がそうであったように、大きすぎる期待は逆に重圧となってプレーの足を引っ張りかねない。

今回は、丸に対する適正な期待値というのを考えていこうと思う。

丸に対する5年30億円は高いのか?

FA宣言した丸に対して、古巣の広島は4年17億、千葉ロッテは6年30億、巨人は5年30億という破格の条件を提示したと言われている。

確かに高い。ここ数年の丸の成績は確かに凄い。だが、ジャイアンツの主力の年棒、菅野や坂本と比べると相対的に高すぎる感はある。堀内恒夫元監督がブログで述べていたが、「丸が7億ならば菅野は8億」と言っていたように、長年巨人に貢献してきた選手とのバランスもある。

丸の契約はインセンティブが大きいのでは?

ジャイアンツは丸に5年30億を提示したと報道されているけれど、実際にはその詳細は分からない。僕は総額にするともう少し積んでいるのではないかと思っている。ただし、インセンティブが大きいのではないかと。

つまり年棒ベースでは4億円程度で、インセンティブが年間2億~3億程度あるのではないかということ。5年間で球団の期待通りの活躍をすれば年棒ベースで7億以上、総額35億円以上の契約ではないかと思っている。

坂本・菅野の契約更改が終わっていない

ここで注目したいのは、まだ坂本勇人、菅野智之の契約更改が終わっていないことだ。おそらく、もともと丸の獲得後(去就が明らかになった後)に契約更改をする予定だったのだと思う。
つまり、この2人はインセンティブを含まない年棒ベースでは丸を下回らないということではないだろうか?

特に坂本勇人の年棒が重要だ。菅野は投手なので野手とは査定が異なるが、坂本は同じ野手。今年は故障による離脱があったものの、打率はキャリアハイの.345。守備では内野の要、そして主将としてチームをけん引する坂本の年棒が丸の後塵を拝するわけにはいかない。

2018年の坂本の推定年俸は3億5000万円。2015年に年俸変動制の複数年契約を結んでおり、首位打者を獲得した2016年オフには2億5000万円から1億円アップしている。複数年の契約年数は明らかになっていないが、今オフの契約更改では4億を超えるのは間違いないだろう。

インセンティブを含まない年棒ベースで、坂本を丸と同額、あるいは丸より少し多い金額で契約し、あとは成績でインセンティブをつけることになるとすればバランスは取れていると言えるだろう。

丸の加入は広島の戦力ダウンという意味でも大きい

丸がジャイアンツに加わったことは、巨人の戦力アップということももちろん大きいが、広島を戦力ダウンさせたという意味でも大きいだろう。ジャイアンツとカープの戦力差が縮まっただけでなく、カープとほかのセ・リーグの球団との戦力差も縮まったということだ。

つまり、単純に考えれば、丸の戦力値分だけ、カープとほかの5球団とのゲーム差が縮まったということだ。

丸に求めるのは数字よりも優勝

丸の加入でジャイアンツが期待すべきものとは、丸佳浩の個人成績はもちろんだが、優勝という結果だろう。

ジャイアンツが丸と交渉した時、原監督は「ジャイアンツに新しい血を入れてくれ、カープでやったいいことをジャイアンツに持ち込んでやってもらいたい」と述べたとのこと。これは単なる口説き文句ではなく、本気で蓄積されたカープの勝利のエッセンスをジャイアンツに注入しようということだと思う。

例えばデータの活用方法や、投手攻略のための狙い球の絞り方、走塁の考え方、トレーニングの方法など、セ・リーグを3連覇したカープの強さの秘密をいただこうというわけだ。4年も優勝から遠ざかり、巨人にも優勝争いを経験したことのない選手も増えてきた。

丸がセ・リーグチャンピオンの野球をジャイアンツナインに伝授してくれれば、巨人は間違いなく優勝に近づくことができるはずだ。

丸佳浩に求める個人成績は?

2019年にジャイアンツが優勝できれば、丸の個人成績は多少悪くてもそれほど周囲から叩かれることはないだろう。

FAで加入した丸に対し、2018年を上回る成績を求めるのはちょっと期待値が高すぎると思う。とはいえ、あまりにも低い成績では困る。

ジャビッ党が合格点を与えられる丸の個人成績はこんなものではないだろうか?

出場120試合 打率.285 25本塁打 70打点 8盗塁 出塁率.420

移籍1年目ということで、精神的負担はもちろん肉体的負担もカープにいる時よりも大きくなる。2018シーズンも故障離脱があっただけに全試合フル出場を求めるよりも、時々休ませる起用法をすべきだろう。

打率とホームランに関しても過度の期待をするよりも、3割30本に届かないくらいで考えておいた方がいいと思う。打点は1、2番の出塁次第。1番を坂本が打つと想定して、2018シーズンと同じくらい出塁してくれれば、打点はもっと増えるだろう。盗塁は巨人という球団の傾向から1桁と見積もった。

ただ、出塁率は高いものを求めたい。選球眼がよいのが丸のセールスポイント。多少打撃の調子を落としても、ボール球を追いかけないようにして欲しいものだ。四球が取れなくなると、打撃も壊滅的な数字になる恐れもある。

この数字で岡本の前を打ってくれたら、岡本の成績も今シーズンよりもさらに期待できるものになるだろう。

何はともあれ、怪我なく2019年の開幕を迎えてもらいたいものだ。

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1975年、ジャイアンツの歴史上、唯一の最下位だった年に生まれる。
同学年の選手は高橋由伸、上原浩治、高橋尚成、井端弘和、岡島秀樹など。

生まれてからの最初の記憶が、祖父の家のテレビで観た王さんの756号という巨人ファン。1989年の近鉄との日本シリーズ、3連敗からの逆転日本一を疑わず、それが実現したことから、本格的にジャイアンツにのめり込む。

高校時代から東京ドームに通い始め、1994年には東京ドームでアルバイトをし、日本シリーズでは長嶋茂雄監督の胴上げを生で観る

大学時代に某スポーツ解析ソフトウェア会社にアルバイトとして働き始め、そのまま入職。野球とラグビーのデータ入力と解析を担当した。

2008年には年間およそ50試合ほど、東京ドーム、神宮、横浜などで観戦したが、仕事の都合上、現在は日テレG+での観戦やネット観戦が多い。

夢は東京ドームの年間シートを購入して、毎試合生観戦すること。

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