美馬?鈴木大地?ジャイアンツが本当に補強すべきFA選手とは…?

日本シリーズが終わって、FAの権利を持つ選手たちの動向が徐々に明らかになってきた。早々に残留を表明した広島の曾澤に続き、野村も残留。
ソフトバンクの福田やロッテの鈴木大地、楽天の美馬などがFA宣言を表明している。

ジャイアンツが本当に補強べき戦力は誰なのか考えてみた。

巨人は第2次戦力外はゼロ、支配下枠の空きは少ない

FAの権利を持つ選手で真っ先にFA宣言を表明したのが、ソフトバンクの福田だ。福田は左の巧打者で、一塁も守れる外野手で、ソフトバンクでは主に代打、代走、守備固めのスーパーサブとして活躍。先発出場の時にもしっかりと結果を残しているし、出場機会を増やしたいとの意図からのFA宣言だと思う。

ジャイアンツ戦では、交流戦で森福から満塁ホームラン。日本シリーズでも高木京介からホームランを打つなど、左を苦にしない印象だ。人的補償の発生しないCランクの選手なので、ジャイアンツも獲得に乗り出すと思ったのだけれど、大塚球団副代表が「いかない」と宣言した。

その理由として、若手の台頭を上げている。

若手の外野手といえば、1軍では重信、石川。2軍では松原、加藤、山下らだ。

確かに、福田が入ってきたら出場機会は減っちゃうよね。あと、亀井とタイプ的には似てるというのもあると思う。亀井がまだ規定打席に到達するなど、まだまだ健在だから福田はいらないのかもしれない。

それに、今年のジャイアンツは支配下枠にあまり空きがない。

ジャイアンツは、日本シリーズ終了後の第2次戦力外期間に、日本人選手の戦力外を行わなかった(日本シリーズの40人枠から外れていた中堅どころの選手はほっとしていると思う)。

なので、来季契約を結ばない、ヤングマン、クック、ビヤヌエバと引退表明したマシソン分の枠が空いただけで、現在の支配下枠は64。

来シーズン中に育成選手を何人か支配下に上げることを考慮すると、3枠は残しておきたいから、補強できる人数は3人ということになる。

外国人を少なくとも2人は獲得すると思うから、人的補償がない選手とはいえ簡単には補強できないという状況だ。

人的補償覚悟で獲得すべきFA選手は?

ジャイアンツとすれば、基本的に人的補償ありきでFA補強をするということだろう。A・Bランク選手を獲得して、獲得元球団から「金銭補償だけで人的補償はいらない」となってしまう方が編成としては困ってしまうのかもしれない。

(その場合は、金銭トレードや無償トレードなどで支配下枠を空ける可能性もあるね)

人的補償ありきで補強するならば、誰に行くべきか?

益田は水面下の調査で手ごたえなしだった?

ジャイアンツの第1の補強ポイントはリリーフ投手だ。今回のFA選手の中ではロッテの益田が補強ポイントに合致していた選手だったけれど、残念ながら残留の方向のようだ。

益田に関しては、ニュースなどでも動向があまり流れてこなかったし、ジャイアンツサイドも「宣言したら調査」みたいな報道もなかったので、そもそも獲得の可能性が低いと見ていたのかもしれない。

おそらく水面下で調査した結果、手ごたえがなかったのだろう。

ダメもとでも行くべきは秋山

メジャーへ行きたいという理由でFA宣言した西武の秋山翔吾。

今シーズンのFA選手のなかで、ナンバーワンの選手だと思う。3年連続で打率3割、本塁打20本を残し、盗塁数も2ケタ。打って、守って、走れる3拍子揃った外野手だ。

若手の出場機会を奪うという理由で、福田にはいかないけれど、秋山は別格。今の若手で秋山と勝負できる外野手なんていない。というかジャイアンツの外野手で秋山と互角なのは丸くらいだ。

メジャーに行くためにFA宣言したのだから、交渉しても無駄になるかもしれないけれど、それでもダメ元で行くべき選手だと思う。

美馬獲得は実質的なトレードになる

楽天の美馬に関しては、残留もありのFA宣言だけれど、在京球団希望ということで、獲得の意向を示しているロッテなどと争奪戦になりそうだ。

美馬は確かにいいピッチャーではあるけれど、ローテーションでいえば山口俊、菅野、メルセデスに次ぐ4番手といったところ。そのクラスであれば、戸郷、桜井、高橋優そしてドラフト2位の太田あたりでなんとかなるような気がする。

美馬の場合、人的補償が発生する。たぶん投手を獲りに来ると思うので、若手投手との実質的なトレードということになってしまうだろう。池田や大江、畠あたりが持っていかれそうだから、ちょっと嫌なんだよね。

鈴木大地はありなんだけれど…

鈴木大地はありだと思う。内野ならどこでも守れるし、バッティングも数字以上に勝負強いから、5番に置いたら面白いと思う。

ポジションはセカンドがメインで時々サードといったところ。

吉川尚輝が腰の故障で1シーズンを棒に振ったことを考えると、内野に戻るのはかなり厳しいと思う。となるとセカンドのレギュラーは不在のまま。田中俊太、若林、山本、増田大輝ではレギュラーは任せられない。

ならば、鈴木大地と競いながら若手が伸びるというのがいいかと思う。

ただ、大地よりもお買い得な選手がいるんだよね。

FA宣言したら獲得したいねらい目の選手は?

鈴木大地はいい選手だし、補強ポイントとも合致するので獲得はありだと思う。でも、やはり気になるのは人的補償。

であれば、人的補償のないCランク選手で、補強ポイントと合致する選手を狙うべきだ。もちろん宣言すればの話だけれど。

ねらい目の選手は、ソフトバンク・川島慶三だ。

川島は日本ハム-ヤクルトーソフトバンクと3球団を渡り歩いたベテランで、内野はもちろん外野も守れるユーティリティプレーヤーだ。

今シーズンは出場機会は前年の半分に減らしたものの、左キラーとして打率.364をマークしている。

ポジションは鈴木大地と同じで、違うのは、人的補償がないCランク選手であること、ベテランだということ、右打ちだということ。

実はこの3点が今のジャイアンツにとって大きなメリットなのだ。

人的補償がないというのは、いうまでもないメリットだけれど、ベテランと右打ちがなぜメリットなのか?

ベテランということは、フル出場、レギュラーとして迎える必要がないということだ。

そして右打者であるということは、右投手のときは左の別の打者をスタメンで使えるということ。

つまり、田中俊太や若林と併用して、彼らを実戦で鍛えつつ、ベテランの川島をバテさせない程度にスタメンで起用できるということだ。

川島はかなり使い勝手のいい選手だから、かつての木村拓也や古城茂幸のようなバイプレーヤーとして存在感を発揮してくれるんじゃないかな。

というわけで、ジャビッ党のイチ押しFA選手は川島慶三です!

ストーブリーグ
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1975年、ジャイアンツの歴史上、唯一の最下位だった年に生まれる。
同学年の選手は高橋由伸、上原浩治、高橋尚成、井端弘和、岡島秀樹など。

生まれてからの最初の記憶が、祖父の家のテレビで観た王さんの756号という巨人ファン。1989年の近鉄との日本シリーズ、3連敗からの逆転日本一を疑わず、それが実現したことから、本格的にジャイアンツにのめり込む。

高校時代から東京ドームに通い始め、1994年には東京ドームでアルバイトをし、日本シリーズでは長嶋茂雄監督の胴上げを生で観る

大学時代に某スポーツ解析ソフトウェア会社にアルバイトとして働き始め、そのまま入職。野球とラグビーのデータ入力と解析を担当した。

2008年には年間およそ50試合ほど、東京ドーム、神宮、横浜などで観戦したが、仕事の都合上、現在は日テレG+での観戦やネット観戦が多い。

夢は東京ドームの年間シートを購入して、毎試合生観戦すること。

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