カープに普段どおりの野球をさせてしまったジャイアンツ
神宮で膨らんだ期待はマツダで儚く萎んだ。
csファイナルステージ第1戦。初回の攻防でシーズン通りのカープとジャイアンツの戦い方に戻ってしまった。
まずは1回表。先頭打者の坂本が出塁して、神宮の勢いのまま先制点がほしかった巨人は、続く2番田中俊太の場面で、ランナーを動かす。エンドランだ。しかしその1球をファウルとしてしまった。続けてエンドランのサインを出すほどジャイアンツベンチはギャンブル好きではない。次の投球でダブルプレーに打ち取られ、先制のチャンスをあっさり潰してしまう。
一方の、カープは1回の裏、四球で先頭打者を出すとエンドランでノーアウト1・3塁のチャンスを作る。すると、丸の内野ゴロであっさり先制。同じ作戦でもサインを出すタイミング、作戦を遂行する能力、1点を取れるチームと取れないチーム。これがチーム力の差だということをまざまざと見せつけられた、初回の戦い方だった。
4回には打たれてはいけない4番鈴木誠也に2ランホームランを打たれ、突き放される。先発のメルセデスはここまでだな、と思ったが、まさかの続投。この回さらに1点を奪われ、4−0に。ヤクルト戦での早めの継投はどこへやら。シーズ中の「投手交代が遅い」由伸采配に逆戻りだ。
これで、カープの選手たちは「オーケー、ふつうにやれば問題ない。いつも通りの野球でふつうに勝てる」と思ったはずだ。スタジアムのカープファンも。
その後の試合も、シーズン通り。CS中は眠らせておきたい丸にもホームランを打たれるなど、広島の攻撃時間だけが長くなるばかり。まさに完敗。シーズン通りの結果となってしまった。
ジャイアンツが日本シリーズに進出するためには、残り5試合で4勝しなければならず、非常に厳しい状況になってしまった。
由伸監督の下で左のエースに成長した田口が見せる意地に期待
高橋由伸監督は2戦目の先発を広島新庄高校出身の左腕・田口麗斗に託した。
田口の今シーズンの成績を考えると、とても2戦目の先発を任せられる信頼感はない。この1か月でボールのキレが戻ったとか、新しい変化球を覚えたといった情報もないし、特にプラスアルファが期待できる状態でもない。
ふつうにやれば、3回4失点、よくて5回3失点といったところ。
相手投手がジョンソンということを考えれば、7回1失点くらいでいかなければ勝ち目はなさそうだ。言ってみれば短期決戦なのに「捨てゲーム」みたいだということ。秘密兵器のヤングマンは秘密のまま終わってしまうかもしれない。
では、なぜ由伸監督は田口に先発を任せるのか?
それは田口が高橋由伸監督政権下の投手で唯一の由伸チルドレンだからだ。
2016年に前年の3勝から大きく成長して10勝。翌17年には13勝を挙げ、由伸監督の下、左のエースとも言える存在にまでのし上がってきたのが田口だ。逆に言えば、今年の2勝という成績は由伸監督辞任の戦犯の一人といっても過言ではない。
菅野が15勝目を完封で達成した時「監督のために投げた」と言ったが、田口こそまさに「監督のために投げる」べきだろう。
由伸監督も田口本来のピッチングを最後に観てみたいと思ったから、第2戦の先発に抜擢したのだ。
初戦を落とし、0勝2敗となってしまったジャイアンツ。
本来ならば、10失点しても勝てばいい。田口には内容はどうでもよいから、結果が求められる登板だ。
だけれども僕は思う。
結果がどうであれ、由伸監督に胸を張れる投球内容を示せ
結果として負け投手になっても、来年、由伸チルドレンとして、先発ローテーションに返り咲けるアピールをしてほしい。
6回3失点のクオリティスタートなんて甘っちょろい。
田口のノルマを勝手に設定させてもらえば、6回1失点、あるいは7回2失点だ。
田口麗斗の意地を見てみたいものだ。
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