西野ジャパンの戦い方と巨人の戦う姿勢について考える

雑記

広島に3連敗し、中日3連戦の頭を勝ちゲームの形からひっくり返されたジャイアンツ。首位を走るカープとの戦力差、チームの雰囲気などから考えると、早くも終戦ムードが漂う感じだ。

もし、最終目標が日本シリーズで勝つということならば、クライマックスシリーズ出場圏内であるAクラスを目指す戦略にシフトしつつ、来季以降に備えた若手育成を中心とした戦い方に切り替えてもいいのかもしれない。

巨人の目標はリーグ優勝と日本シリーズ制覇

けれどもジャイアンツの最終目標は日本シリーズ制覇だけではない。
巨人の目標はリーグ優勝もして、さらに日本シリーズにも勝つ。巨人が巨人であるかぎり変わることのない目標。

ほかのチームだったら優勝を諦めてしまうようなゲーム差をつけられたシーズン終盤でも、最後の最後まで「優勝の可能性がある限りはあきらめない」と言い続けるのがジャイアンツの選手と首脳陣だ。
それが例えポーズであっても、ジャイアンツは常に優勝を目指し続けなければならない。

西野ジャパンに対する野球界のコメント

さて、話は変わってサッカー日本代表の話。
グループリーグのポーランド戦で、決勝トーナメント出場のために、試合終盤にあえて1点差で負けるという戦術を採った西野ジャパン。
負けているチームが点を奪いにいかず、10分近くボール回しをするという試合に、賛否両論、議論が巻き起こっている。

サッカー日本代表の西野監督が執った作戦について、野球界でもコメントが求めれた。
参考:日刊スポーツ

正直、迷惑な取材だと思う。野球とサッカーは違うスポーツだし、ひとつのクラブチームの作戦ではなく、国を代表するチームが採用した作戦だ。
たとえ本心では否定的であっても、あからさまに否定的なコメントは出せない。

例えばヤクルトの小川監督

賛否両論あると思うけど、決断しないといけない人は、大変だと思う。

監督の心情をおもんぱかってはいるけれど、作戦の賛否には言及していない。大人のコメント。
いずれのコメントを見ても、気を遣ったコメントだなと思った。

高橋由伸監督のコメントは巨人の監督としては残念

ジャイアンツの選手・監督のコメントをみてみよう。

阿部慎之助

ルールの中で戦うのがスポーツにおける勝負。やったことがグループリーグ突破という結果につながった。それが全てだと思う。

長野久義

キャプテン翼でGK若林くんがいた修哲が得意とする「鳥かご」を思い出しました。そういう意味では昔から存在した作戦でしたね。決勝トーナメントも応援したいです。

岡本和真

点を取る、点を取られる、状況を判断してどっちの可能性が高いかで作戦を決めたと思う。ボール回しも簡単じゃないし、その練習もしていたと思う。見応えのある試合だった。

高橋由伸監督

次(決勝トーナメント)に進むのが目標なのだから、ああやるのは当然なのではないかと思う。

阿部、岡本はいずれも状況やルールなどに関してのコメントで、作戦そのものの賛否は述べなていない。長野にいたっては、キャプテン翼を持ってきて、うやむやな回答をしている。
あえて、作戦の賛否を言わないという意味で、よいコメントだと思う。

どころが、由伸監督は「ああやるのは当然」と言ってしまった。

賛成しちゃったよ。

賛否を表明せず、もうちょっと濁したニュアンスでうまくごまかせなかったかなぁ。

プロ野球に例えるとCS争いかなぁ

僕は由伸監督のコメントには問題ありだと思っている。その理由は2つ。

1.巨人の監督として「わざと負ける」を肯定しちゃダメ

プロ野球の場合、大差で負けている場合などは主力選手を下げて休ませて、次の試合に備えるということはある。「勝ちをほぼあきらめる」作戦だ。

サッカーで残り時間が10分ちかく残されていて、1点差で負けている方が、あえてボールキープに徹するというのは、あきらめるというものではなく、「負けを確定させる」作戦だ。

野球とサッカーは別のスポーツだから例えて比較するするのはナンセンスだ。それでも敢えて西野ジャパンのとった作戦をプロ野球に置き換えて考えてみた。

一番近いケースが、ペナントレースで2位が確定しているチームが4位のチームにわざと負けることではないだろうか?

例えばジャイアンツがペナントレースで2位が決まっており、阪神とDeNAが3位争いをしていたとする。最終戦の巨人と阪神の試合で阪神が勝ったら3位、巨人が勝ったらDeNAが3位になるケース。

巨人の目標はリーグ優勝と日本シリーズ制覇だけれど、2位が確定していれば、クライマックスシリーズを勝ち上がって、日本シリーズに勝つというのが目的になる。

クライマックスシリーズで、ベイスターズの方がタイガースよりやりにくい、タイガースの方が勝てる可能性が高いとする(あくまでも仮定の話)。

ならばその最終戦にわざと阪神に負けていいのかという話だ。

ジャイアンツが勝てばベイスターズとCS、負ければタイガースとCSの試合で、1点差で負けている終盤、8、9回の2イニングに、チームとして全員に三振をしろと指示する。西野ジャパンの作戦をプロ野球に例えると、これがもっとも近いように思う。

・・・やっぱりダメでしょ。

ほかの球団ならよしとするのかもしれない。でもジャイアンツはやったらダメだ。

2.スタンドのファンに対する視点が欠けている

ジャイアンツは、ファンを大切にする球団だ。
長嶋監督や原監督は、東京ドームで大敗したりするとよく「お客さんに失礼な試合を見せてしまった」と述べたものだ。

プロ野球の場合、ペナントレースは長丁場になるので、時として捨てゲームになる試合も出てくる。
だが、興行としてお金を取ってお客さんに見てもらうのがプロスポーツだ。だから負けゲームでもお客さんを少しでも満足させる試合にしなければならない。

長嶋監督や原監督は「今日スタジアムに来てくれたお客さんの中には、今日だけしかジャイアンツの試合を観られないという方もいるかもしれない。その特別な日を楽しみに見に来てくれたお客さんに対して恥ずかしいプレーをしてはならない」と常々言っていたという。

高橋由伸監督もこのイズムを受け継いでいるはずなので、せめてコメントでは「スタンドのお客さんに対しては失礼だったかもしれない」とか、ファンを想った言葉を加えてほしかった。

西野采配に対する高橋由伸監督のコメントは、あくまでも、自分がサッカー日本代表の監督だったらということで、ジャイアンツでの采配では、決してそのような戦い方をするようなことはないと・・・信じたい。

雑記
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1975年、ジャイアンツの歴史上、唯一の最下位だった年に生まれる。
同学年の選手は高橋由伸、上原浩治、高橋尚成、井端弘和、岡島秀樹など。

生まれてからの最初の記憶が、祖父の家のテレビで観た王さんの756号という巨人ファン。1989年の近鉄との日本シリーズ、3連敗からの逆転日本一を疑わず、それが実現したことから、本格的にジャイアンツにのめり込む。

高校時代から東京ドームに通い始め、1994年には東京ドームでアルバイトをし、日本シリーズでは長嶋茂雄監督の胴上げを生で観る

大学時代に某スポーツ解析ソフトウェア会社にアルバイトとして働き始め、そのまま入職。野球とラグビーのデータ入力と解析を担当した。

2008年には年間およそ50試合ほど、東京ドーム、神宮、横浜などで観戦したが、仕事の都合上、現在は日テレG+での観戦やネット観戦が多い。

夢は東京ドームの年間シートを購入して、毎試合生観戦すること。

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